平成30年読書発表

発表者感想

「守りから攻めの事業承継対策」

 これから先代経営者の高齢化が進んでいる中で、事業承継問題に対する相談に対して、相続や贈与によって後継者に譲る会社、M&Aによって事業を譲渡する会社と出てくると思いますが、この事業承継に関しては、税法はもちろんですが様々な視点から各会社の状況にあった進め方をしていかないといけないと感じました。また、後継者に株式(経営権)を集中させることができるようになった一方で、他の相続人に対する配慮も必要なんだとこの本を読んで感じました。そのためにも、この事業承継にかかわる全ての方の間でしっかりとした話し合いが行われ、後々問題にならないような配慮も必要ですし、私たちも税法だけではなく事業承継に関する事業承継円滑化法や民法等の法律の最低限の知識を身に付け、時には弁護士さん等の士業の方と連携しながら進めていくことが必要になってくるのではないでしょうか。関与先の更なる発展に貢献できるよう、これから会社の状況に応じた事業承継という新たな分野に取り組んでいければと思います。I・A

「社長の節税と資産づくりがこれ一冊でわかる本」

 役員の死亡退職に関して、死亡退職金についてはそれとなく知っていましたが、弔慰金の特性についてはよく知らなかったので新しい発見でした。相続税が非課税であるということも驚きましたが、死亡退職金の非課税枠と合わせて上手く使えればと思います。自社株評価については、株主の種類や会社規模の判断を正確にした上で、さらに複数の評価方法があるということで、想像以上に広く深い世界があるのだなと驚きました。
 今後、多くの関与先さんで事業承継に関わることが想定されますので、相続や株の評価の知識は少しずつでも身に付けていかねばならない分野だと改めて思います。B・H

「リスク回避のための事業承継実務の進め方」

 事業承継は、相続と同じで、人の問題が大きなウェイトを占めいていると感じました。現経営者の問題、後継者の問題、法定相続人の問題、社内、取引先、金融機関と、あらゆる関係者に納得してもらうように段取りしていくのは相当な労力を要すると思いました。だからこそ、早めに取り組むことが必要ですし、一番のリスクは経営者の突然死ですので、その前に私たちは、事業承継を促すよう関係者を啓蒙していく努力が必要だと思いました。I・Y

「会社の相続 事業承継のトラブル解決」

 日本の中小企業は全国に約380万社あるそうですが、そのうちの約3割が後継者未定ということにまず驚きました。「事業承継というのは利害関係者の範囲が相続とは比べようもなく広範囲に及び、例え事業が相続人でない第三者の手に渡ることになってしまったとしても、承継していくべきものであり、事業承継とはつまり、日本文化を継承していくことである。」と、筆者が序章で述べているように、日本の企業数の99.7%を占める中小企業をいかに存続させていくのか、非常に考えさせられました。中でも特例事業承継税制は、大手思考が広がる中、あくまでも納税猶予ではありますが、歯止めをかけられる制度だと思います。また、事業承継と一口に言ってもやり方はさまざまで、この図書の中でも8つの事例があるように、それぞれに合わせた方法を慎重に選ぶ必要があり、広く深い分野であることを改めて感じさせられました。今回は属人的株式を導入した事例を取り上げましたが、会社法上の制度を使用した一つの制度として、選択肢を広げる意味で勉強になりました。事業所ごとに合わせた最適な方法を見出せるよう、さまざまな手法・制度を身に付けていかなければならないと感じました。F・F

「使える!事業承継税制」

 本書にて、特例事業承継税制の適用要件や手続等の制度概略がわかりました。特例事業承継税制は、贈与税・相続税を“払わなくて済む”というイメージがあるかと思います。しかし、税金は、あくまで「納税猶予」であり、要件を満たさないときには猶予された税額に利子税を併せて納税しなければならないことは、要注意です。また、特例事業承継税制による税務申告後の納税猶予期間中の手続きについても、税務署へ報告を続けていかなければなりません。私たちは、専門家として事業承継税制の長所短所を理解し、事業承継を控えている企業に啓蒙していくことが大切だと感じました。M・Y

「その節税が会社を殺す」

 正直なところ大きなショックを受けたことは事実です。節税のための節税になっていたのか?自問自答しました。
一つの考え方としてとても参考になることばかりでしたし、実務に生かせると強く感じます。いかに現金を残すことが大切であるかは誰もが認めざるを得ないことであり、法人税アレルギーを緩和していくことの重要性も考えさせられました。 支払いに追われる関与先ばかりのような気がしますし、手元資金月商3ヶ月分は私の担当する関与先にはありません。かなりハードルは高いと思いますが少しでも近づけるようなアドバイスをしていこうと考えています。目的のある節税は大いにすべきですが、その場しのぎの節税は会社を殺してしまう可能性があることを肝に銘じた巡回訪問をしたいです。K・K

「平成30年申告用 あなたの確定申告」

  確定申告を行うにあたって、事前の準備として所得者本人をチェックすることが大切だと本にもアドバイスで書かれていました。所得にも様々な所得がありますが、所得だけではなく資産の売却や寄附金等確定申告の範囲はとても広く、前もって理解しておかなくては、せっかくある特例もいざ使おうと思ったときに、条件に合わず使うことが出来ない状態になってしまい、節税できたはずなのに余計な税金を払わなければいけないことになりますので、知識として習得することの大切さを改めて感じました。今回読んだ範囲は、以前研修で行っていない範囲でもありますし、前回の確定申告で触れることも無かった新たな知識ですが、前回の確定申告で行ったよく使うであろう範囲は知識の見直しが、間違いや漏れを回避することに役立つと思います。一度で終わりにせず時間を作ってこの本の読み直しを今後もしていきます。W・M   

「消費税率引上げ・軽減税率・インボイス」

 タイトル通り、新消費税が約1年後にスタートすることになっており、待ったナシ!!ですね。先月は、著者のひとりである渡辺章先生の研修を受講することができ、とても良いタイミングでした。その後この図書を紐解いた次第ですが・・・。大まかな概要をつかむことはできましたが、では実務における具体的なことは???(それこれからですね)ますます興味関心が高くなります。関与先の事業者の方々はもちろんのこと、国民ひとりひとりの日常生活すべてにかかわる間接税ですので、まずはその仕組み・内容・特徴・性格(?)を十分に理解し、身に付け、取引の仕訳、申告書作成、アドバイス等を自信を持って行いたいものです。ひとつひとつ皆さんと共に<新消費税>を攻略し増山会計の関与先にとって最良の対応を経営者の方々と共に構築してきましょう!M・S