令和3年度読書発表

発表者感想等

「相続税 贈与税入門の入門」

 相続税の申告をしたことがないという理由でこの本を選びました。

相続税のほんの入口を覗いただけですが知らないことだらけでした。冒頭で相続税はすべての人々にとって必要なものとありますが、以前はごく限られたお金持ちの人だけにかかる特殊な税金だと思っていました。しかし、今は地価の高騰、基礎控除の縮小でごく普通の人達にも襲いかかってきます。そうであれば

会計事務所の職員として最低限の基礎知識は押さえておかないといけないと強く感じるところです。基本的なしくみや考え方がわかっているだけでも少しではありますが不安を取り除くことができると思います。

 机上での知識をもっと増やしていくここと実務を経験させていただくことで更に自分の力をつけることが現状の最優先課題です。   K・K

「自社株対策超入門」

 自社株の承継と一言に行っても、状況によって様々な評価方法があり、会社の規模や、誰から誰に株が動くのかによっても変わってしまいます。それが決まらないと、株価を下げる対策をとるのか上げる対策をとるのかという判断もできませんし、また、評価方法によって計算根拠が異なるため、何をすれば株価が動くのかも違ってきてしまいます。現在株主である経営者としては、なるべく早いうちから、どの方向に行くのかを見極めたうえで、計画を立てて進めなければならないということをますます考えさせられました。

 また、私の発表では触れませんでしたが、持ち株会社を作って対策するというスキームについても書籍に書かれ

ており、知れば知るほど広く深い世界であると思いました。

 当事務所の関与先においても、6070代の経営者が多い中で、そのうち自社株対策の方向性がはっきりと定

まっている関与先は何%あるのでしょうか?そう考えると不安になってしまうというのが現状です。

 まずは、私達が正しい知識とスキルを身に着けること。そして、関与先それぞれの状況や想いに合った納得のい

く方法を導き出す一助になっていかねばと思います。スピードも重要になりますが、こちらから事業承継の話題を

出しても、まださっぱり実感が湧いていない様子で暖簾に腕押しの相手もいるというのが正直なところですが、め

げることなく声を掛け続けていきます。   B・H

「相続 必ず知っておきたい100のこと」

 現在私が担当している関与先の中でも経営者の高齢化は加速し、先代社長を早くに無くしている経営者さんも、先代社長と同じように早くに亡くなってしまうのではないかと不安も感じているようで、相続に関しての相談等は年々増えてきていますし、実際数年前から自社株の評価依頼もあります。

 そんな中で、まだ相続税に関しての実務経験のない私に何ができるのか考えたとき、当然いきなり申告書の作成などできるわけもわりませんので、先ずは相続税に関しての情報と知識を少しずつ着実に身に着けて、関与先からの相談等があった場合には、しっかりと相談の内容を理解した上で、自分のわかる範囲で回答し、少しでも不安を取り除いてあげることだと感じました。

 また、相談を受けた際には相談者自身(被相続人や相続人の方々)が、実際に相続財産がどのくらいあるのか

知って頂くことから初めることも大事だと思いますし、それがわからなければ、その方にあった相続対策を進めて

いくこともできませんので、一度相続財産、相続税額の試算をしてみることも重要になってくるのではないでしょ

うか。   I・A


「余命3年となる前にやっておくべき・・・不動産と事業(会社)を守る相続術」

この本を読んでみて、次の世代に負担をかけないように準備をしていくということがいかに大切なことか、改めて認識しました。そういった意識をあまりお持ちでない方、自分はまだ大丈夫だと思っている方もいらっしゃると思いますが、この書籍でいうところ“余命3年”になってからでは遅く、次の世代に負担を強いる結果になってしまうこともあると思います。まずは関与先さんにそういった意識を持っていただくことからですが、  実際に相続となった場合に現状だとどういうことが起きるのかということを説明し、少しずつ理解していただくことで自分の事である意識を持ってもらうように、こちらからも働きかけていかなければならないと感じます。そのためには正しい知識を身に付けて、関与先さんの状況に合わせた提案、助言をしていく必要があると思いました。話題に出すことで意識付けをし、現状の確認なども行っていくようにしていきます。   H・F

「初めての「相続税・贈与税」入門」

 相続税の知識がほとんどなかったので、本を選ぶ際にかなり迷いました。今回選んだ本は、相続税の内容について深く触れているものではないですが、全体的に必要最低限な部分をまとめた入門書となっていて、とても読みやすかったです。

 読み終えて、まだまだ分からないことばかりですが、少しでも自分の知識を増やすことができ、有意義な経験になったと思います。また、業務を行う中で少しずつ覚えていきたいです。   H・M

「税理士の相続業務強化マニュアル 土地自社株評価実践編」

 相続税の申告おいて、財産評価に大きな影響を与え、かつ、評価額の計算に労力を要する土地と自社株の評価を解説した書籍ということで、今回選択しました。

 内容については、「第1章 固定資産税の課税明細書の確認」において、固定資産税の課税明細書を収集する意義や着眼点を知ることができました。固定資産税の課税明細書には、土地の利用状況に関する情報も記載されているので、これを基に、貸地の有無を確認し、小規模宅地等の特例適用など土地の評価方法を決めていく点は参考になりました。

 相続税の2大テーマが一冊にまとめられているため、大変ボリュームのある内容で、1回読んだだけでは、全てを理解するのは難しいと感じました。土地評価や株式評価に関する各論点を網羅的に書いてあるので、今後も読み込んでいきたいと思います。

 本書とセットで読むことを推奨している「税理士の相続業務強化マニュアル」があるので、こちらも読破したいと思います。   M・Y

「自社株対策超入門」

 最近関与先から事業承継の話題が多く聞かれるようになり、後継者に株を異動するために、自社株の評価をしてほしいという案件が増えています。私なりにシステムを使って評価を行ってみますが、なんとなくシステム任せで評価していたところが、今回の図書で明確にできたと思います。社長の思いと後継者の思いを酌みながら、事業承継の最善策を提案することは大変難しい業務だと思います。この本を読んで、とにかく早く対策をとることと、3分の2以上の株を後継者に移すことを考えるときに、ある程度の税負担は必要なコストであって、事業の承継を優先すべきことがわかりました。今後に活かしていきたいと思います。   I・Y

「税理士がアドバイスする!!相続手続で困らないエンディングノート」

 相続は死を連想させるため、家族からは切り出しにくいテーマではないでしょうか。しかし何も準備をしないままの相続は残された家族に多大な負担をかけることになると思います。本人が自分の相続を考えることはまず自分と向き合い、自分の生き方や現状を客観的に把握し、残りの人生を大切に充実させていこうという気持ちにつながると思います。相続の知識を身につけること、そして準備をしていくことは大切なことであると改めて感じました。相続とは思いやり(愛)ではないでしょうか。   M・S