令和4年度読書発表

発表者感想等

【税務調査リハーサル完全ガイド】

「税務調査官の「質問」の意図を読み、税務調査の対応・対策を行おう」との趣旨の書籍です。

他方で、私たちの巡回監査・会計指導・決算業務における各勘定科目の着眼点を分かりやすく解説した内容だと思いました。第Ⅱ部、第Ⅲ部は、チェック項目として使えると感じました。月次訪問で、各勘定科目を確認するときに単に証憑と突合するのではく、本書で解説されている要点に注意を払いながら取り組んでいきます。

さらに、「勘定科目の要点を確認する」「証拠書類を整備する」など普段の巡回監査業務の積み重ねが税務調査対策に繋がると再認識しました。これらは自計化の推進と正確性を向上によって一層進められると思います。納税者の方にも今以上に税務調査対策を理解して頂けるよう助言・指導していきたいと思います。   M・Y

【これからのゴルフ場経営の方向性を探る】

 今回はとにかくゴルフ場経営に関するものをと考え探しましたがまったくと言っていいほど見つかりませんでした。たまたまこの卒論が見つかりおもしろい内容だと感じこれに決めました。2015年のものだったため多少直近のデータも参考にしています。ゴルフ場経営に少子高齢化の影響がすでに出始めていることを実感しています。どこのゴルフ場に行っても年齢層の高い方たちが多く若い世代が珍しく感じます。そのような環境下でどの方向に舵を切るかは経営者次第ですが、ゴルフ場を担当に持つものとして少しで関与先の一助になればと考えています。

 クラブハウスの建替えや改修などの多額な資金を使ったものばかりでしたがひとつひとつが参考になったと強く感じています。また、それくらいしないと変わらないのかもしれないという思いがあるのも正直なところです。

 若年層や女性をターゲットに魅力ある施設が求められるのは当然ですが、地域との連携も重要になってくると感じるところです。また、若年層についてはお金の問題もあるため低料金化は避けられないのかもしれません。 K・K

 【社長の想いを引き継ぐ事業承継の進め方】

  現在私が担当している関与先の中でも経営者の高齢化は加速し、先代社長を早くに無くしている経営者さんも、先代社長と同じように早くに亡くなってしまうのではないかと不安も感じているようで、相続に関しての相談等は年々増えてきていますし、自社株の評価依頼も増えてきています。

  そんな中で、各会社にあった事業承継を進めるためには、この会社にはどういった形で事業承継を進めるのがベストなのか、社長さんの考えを後継者はしっかり理解し、受け止めているのだろうかと考えたときに、発表した4つのタイプ別に分けることから始めて、そこからいろいろな方法を調べ・提案していく中で解決していかなければならない課題も出てくると思いますが、関与先の事業継続の一助となればと感じました。   I・A

「イチからはじめる相続税実務の基礎」

これまでに、数件の相続税申告書の作成に関わりましたが、この本を読んで、相続税申告業務とは、いかに早く、漏れなく相続財産・債務の資料を入手できるかが重要なのだとわかりました。そのためには、相続に関する制度の理解と知識、また相続人との信頼関係構築のためのコミュニケーション力が必要だと思いました。私はまだ断片的な知識しかないと改めて思い知らされましたし、相続の依頼を受けてまず、何をすればよいのか、どういった流れで業務を進めていくのかイメージすることが出来ました。また、相続人同士の人間関係が良好な場合と、険悪な場合がありますので、相続財産だけではなく、こちらも気を遣って業務を進めていくことが大切だとわかりました。   I・Y

「学校法人会計の仕組みと決算書の見方」

 私は学校法人会計に対して得意ではないと思っており、また、学校法人の財務分析についての知識を身に着けたいと思っていたことから、今回この書籍を選びました。

 著者は公認会計士・税理士の方ですが、財務分析の章の冒頭で「財務分析は万能ではない。計算書類にない情報は分析できず、限界がある。」と率直に述べていたのが印象的で、信用が置けると思いました。この書籍以外で財務分析に関する資料を見たことがあるのですが、「○○÷△△=××比率」のような分析指標が大量に出てきます。しかしこの書籍では「これだけはという重要なものに絞り説明します」と絞り込まれていて、初学者の私としては助かりました。また、計算書類に関する解説では、分かりやすい図が多くあり、理解を助けてくれました。

 以前私は、消費税の軽減税率等をテーマにした読書発表の際、食料品を扱う関与先の実態に即した内容について調べ、現場の業務に直結する学びの機会にできたことが良かったと感じていたので、今回は実際に関与先の財務分析を行いながら、このような形になりました。財務分析のExcelはひとまず粗削りなので、これからみなさんで改良しながら使ってもらえたら幸いに思います。   B・H

「事例から学ぶこれならできる!DX税理士事務所」

 DXという概念が広まってから、当初は大企業向けのものなのかと感じていましたが、中小企業でも十分取り入れられるものだと認識が変わりました。人口の減少や少子高齢化、市場の成熟により、企業数は今後20年間で20%減少すると言われているそうで、競争力や雇用といった面でもDXによる業務改革は必要性が高いと感じました。DXという言葉だけが先走ってしまい、結局ITを導入しただけで終わりになってしまったら本末転倒です。明確な目的を持って必要な改革を行うその結果がDXに繋がっていくと考えさせられました。

 内容を読んでいると実際に行っていることは、我々も普段から使っているものや、見たり聞いたりしているものも多かった印象を受けました。関与先さんにもそれらの利用を促進し、有用な機能を使いこなしていくことで、人的リソースを生み出し時間をかけるべき業務や経営に注力できるような環境づくりができるのではないかと思います。また、関与先のDX化に加えて私たちも月次の中でそう言った効率化ができれば社長さんとの対話や、高付加価値業務に充てられる時間が増えていき、お互いにかなりメリットがあると感じました。大小にかかわらずそう言った取組が関与先の信頼にも繋がるので、常にそのような視点は持ち続けたいと思います。   H・F

「所得税入門の入門」

 所得税というと、とても身近な税金ではありますが、ひとくちに所得税といっても、その種類は様々で、所得控除についても広範囲に渡り、控除額なども細かく設定されており、とても複雑に感じました。今回は入門の入門ということで、基礎的な内容になっていましたが、知らない事も多くあり、一回読んだだけでは、習得できないと感じました。

これからも知識習得に努め、理解を深めるとともに、実際の業務を通して、経験を積み、力を付けていきたいと思います。   T・K