令和6年度読書発表

発表者感想等

新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議 最終報告

 実務において、「収支相償の原則」は、法人の経理担当者等の質問・相談の中で「最終報告」でも示されたとおり「毎年赤字にしなければならない」との誤解があると感じます。この点について、着目されたことは実務に大きな影響を与えると考えます。今回の制度改革によって、これまでの制度課題が解決し、公益社団・財団法人の公益的活動がさらに活性化することが期待されます。 M・Y

【経理DXのトリセツ

 現在の会社経営を取り巻く環境を見ていると、人手不足というのがどの業種、職種でも言えることだと思います。優秀な人材を採用したくても、大手企業に好条件を出されてそういった人材が採用されてしまえば、中小企業での採用のハードルは上がります。地方から都市への若者の人口流出、少子高齢化など、若年層の労働人口が減少し続けていることを踏まえると、少ない人員でも回していけるように自動化、デジタル化を進めていくことは対策として有効だと思います。また、経理業務の大部分を機械が行うことになると、今後は経理を担当する社員の付加価値の向上が必要になるので、後々には会社としての質の向上に繋がるのではないでしょうか。気を付けなければならないのは、例えば経理部だけにメリットがあるようなデジタル化をして、その他の部署の目線では非効率になるようなケースです。逆に経理部だけ考えれば非効率だが、会社全体を考えたらメリットがあるようなら取り組むべきだと思います。例えば、証憑保存機能を考えると、紙の保存の手間や場所を除けば、経理担当者の手間自体はそれほど劇的には変わらないはずですが、クラウドシステムだった場合に経理担当者以外の人が閲覧することを考えると、その効果は大きいのではないでしょうか。あくまでデジタル化することが目的ではなく、効率化して次につなげていくことが目的であることを忘れずに、機械が得意な分野、人間が得意な分野がそれぞれ存在するので、うまく使い分けたハイブリッド形式の経理が今後生き残っていくポイントになると感じました。 H・F

【税金を払わずに生きてゆく逃税術】

 この本を読んでみて、まずタイトルから節税ではなく逃税ということで、国民の納税義務に反する内容が当然含まれていると思いましたが、少子高齢化は深刻さを増し、コロナ禍は収束しましたが、ウクライナとロシアの戦争などの影響でインフレは急激に進んでいるにもかかわらず、政府は有効な手立てを講じてくれない。また、私たちは世界の中でも高額の税金や社会保険を支払っていても、いざというとき国は何もしてくれないなら、自分の将来を考えたときに今現在の税制上認められている範囲内で、脱税という黒ではなく「逃税」という非常にグレーな手段をひとつの知識や情報として持っていてもいいのではないかと思いました。しかし、当然ですが税務に関する専門家として、納税義務の適正な実現を図らなければいけないので、自分を含め間違った申告や納税を容認できるものではありませんので、今一度私達の使命と倫理を業務を行う上で忘れてはいけないと感じました。 I・A

 【みんなの相続税 超入門】

 今回選んだ本の内容は相続税の基本的な部分ではありましたが、それでも様々な制度があり問題も多岐に渡るので知らなかった事が多くありました。相続に関する話には繊細な側面もあるので、問題を先延ばしにしてしまいがちだということがこの本にも書かれていましたが、次の世代になるべく負担をかけないようにするには早めに対策を取ることが重要だと改めて感じました。相続や贈与について気にされている関与先は多いと思いますので、会計事務所の職員として関与先の皆さんの疑問や不安の解消に少しでも繋げていけるよう、引き続き知識習得に努めたいと思います。 T・K

【いちからわかる学校法人会計】

 学校法人会計特有の決まりについて、難しくない表現と理解しやすい表や図がたくさん使われていて、学校法人会計にずっと苦手意識を持っていた自分でも理解しやすく書かれていました。この1年間実務を行ってきて、言葉はよく聞くけど意味はよく理解できていなかったことも多く、狭い視野でしか考えることが出来なかったので、今後はもっと広く今までより多方面から学校法人について考えることが出来ると思います。間もなく令和6年度期中監査が始まるので、早速今回仕入れた知識を存分に活用して、今までよりもっと手ごたえを感じながら業務に励みたいと思います。 U・T

【なぜ、社長は決算書が読めないのか】

 社長が決算書を読めないのは会計事務所の怠慢であるという言葉が刺さりましたが、結局のところ、月次で経営者、経理担当者と話をする時間が足りていないということだと思います。そのためには自計化推進と試算表だけではなく、キャッシュフロー計算書や経営分析表、経営計画書等の資料を基に、具体的に数字を見ながら話をすることが重要だと思いました。長年、関与先を担当していると、月次の流れが固定化してると思いますが、これを機会に、経営計画や経営分析などを月次に取り入れられるようマンネリ打破を目指していきたいと思いました。 Y・I

【武器としての会計思考力】

 会計思考力とは経営の現実を読み解くことにより経営の現実を変えていくことができる可能性を感じることができたように思います。普段から馴染みのあるBS、PL、CFの見方を少し変えるだけで気づかなかった新たな発見があることに驚きましたし比例縮尺図もとても参考になりました。上場企業のデータに基づく解説はとても分かり易く納得のいくものでした。とくに“現実のビジネスを常に意識すること”は我々にとっては絶対意識しなければいけないことで改めて今後の業務に活かしていきたいと感じました。この本でMBAレベルの会計を使いこなすことができるようになるのかは?ですが、ほんの僅か足を踏み入れることができたような気がしました。実務的に経営分析をする機会があまりないように感じていますので決算のタイミングで確認してみようと思います。“会社の実態は必ず決算書に現れる”ということは我々にとっては必須スキル(会計思考力)ということになります。自分の武器にできるよう日々の業務に取り入れていきたいと感じました。 K・K